晴れ渡る空の下で、君のために風となる。
砕けたらその時。そう思ってぶつかった。

だけど、実際に砕けるとこんなにも苦しいなんて……。


「ったく……しょーがないやつね」


周りにクラスメートがいるにも関わらず、がっしりと回した私の腕を解かないでいてくれる。

こんな風に全身で真田の温もりに触れるの、あの時以来。真田が、サトタツへの恋心にピリオドを打った時ぶりだ。


「今私に出来ること、やってみたつもりなの。もう、他に出来ることが思い浮かばない」

「そうねぇ……」


周りからの視線がいたたまれなくなってきたので、いい加減真田から体を離す。

みんなに言いたい。女子のスキンシップに特別な意味はない。決して怪しい関係ではございません。

謎の弁解を脳内で繰り広げる私に、周りなんて全く気にしない様子で真田は口を開く。


「そういえば、今学校中でちょっとした話題になってるみたいよ」

「何が?」

「登坂が」

「へっ!?」
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