涙をみせない少女
2年前~、私は、真面目で友達も多く大好きな彼氏がいた。幸せだった……

あ の こ ろ ま で わ

私が珍しく部活がなく早く家にかえったとき、妹の部屋から、色っぽい声が聞こえた。妹の部屋のドアを少し開けて覗いてみた。中の光景を見て私は、時間が止まったかのようにドアの前で立ち尽くした。
そこにはベットの上で重なり合う私の妹と私の彼氏がいた。
ガタッ
しまった!2人が同時に振り返った。
「み、美音!?お前、なんでココに」
「私の家に私がいたらいけないわけ?」
少し声をあらげて言った。
「萌愛も、なんでこんなことを………」
萌愛は悪魔のように、ニヤリと笑い、そして私を睨み付け言った。
「嫌いだから。それだけ」
私は、言い返す言葉がみつからなかった。萌愛は、部屋を飛び出した。彼氏と二人きりこの部屋に沈黙が漂った。沈黙を破ったのは彼のほうからだった。
「ごめん…美音」
「出ていけ、アンタの顔みたくない。さよなら。」
「…わかった」
彼が出て行った後、一人残された私は、大声で泣いた。
泣いた後、私は意識が途切れた。
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