ホテル王と偽りマリアージュ
ちゃんと確かめてもらう為に、一哉から一歩離れドレスをバサッと片手で払った。
そこまでしてもきょとんと小首を傾げる一哉に、焦れた気分で声を張り上げる。
「こ、これ! どこからどう見ても、ウェディングドレスじゃない!?」
そう……。
セレモニーの準備の為に控え室に入った私を待っていたのは、一哉が私に用意してくれていた豪華な純白のドレス……まさにウェディングドレスだったのだ。
支度を手伝ってくれたセレモニー会場の現地スタッフに、拙い英語で手違いじゃないかと確認したけど、ベテランっぽいアメリカ人女性は表情も変えずに、『Correct!』と言い張った。
今日は一哉がホストとして招待客をもてなす場だ。
そのパートナーとして列席する私は、もちろん正装で挑まなきゃいけない。
正装は正装でも、ウェディングドレスはやり過ぎだ。
いや、そもそもおかしい。
私の抗議は絶対間違ってないと思う。
なのに一哉は、私が吠える途中から面白そうに肩を揺らしてクスクスと笑っていた。
「大袈裟かもしれないけど、常識としては間違ってない」
「いや、そうじゃなくてね!?」
「一人で浮くだろうとか思ってる? 大丈夫。俺も白いタキシードだから」
「ちょっ……結婚式じゃないんだよ!?」
手を離し、私を通り過ぎて部屋の奥に向かう一哉を、数歩足を動かして身体ごと正面から向き合った。
そこまでしてもきょとんと小首を傾げる一哉に、焦れた気分で声を張り上げる。
「こ、これ! どこからどう見ても、ウェディングドレスじゃない!?」
そう……。
セレモニーの準備の為に控え室に入った私を待っていたのは、一哉が私に用意してくれていた豪華な純白のドレス……まさにウェディングドレスだったのだ。
支度を手伝ってくれたセレモニー会場の現地スタッフに、拙い英語で手違いじゃないかと確認したけど、ベテランっぽいアメリカ人女性は表情も変えずに、『Correct!』と言い張った。
今日は一哉がホストとして招待客をもてなす場だ。
そのパートナーとして列席する私は、もちろん正装で挑まなきゃいけない。
正装は正装でも、ウェディングドレスはやり過ぎだ。
いや、そもそもおかしい。
私の抗議は絶対間違ってないと思う。
なのに一哉は、私が吠える途中から面白そうに肩を揺らしてクスクスと笑っていた。
「大袈裟かもしれないけど、常識としては間違ってない」
「いや、そうじゃなくてね!?」
「一人で浮くだろうとか思ってる? 大丈夫。俺も白いタキシードだから」
「ちょっ……結婚式じゃないんだよ!?」
手を離し、私を通り過ぎて部屋の奥に向かう一哉を、数歩足を動かして身体ごと正面から向き合った。