この世界の中で生きていく為に私がすること。
チャイムが鳴って、先生が来るのを待っている状態なのだが…マリたちも来ない。

そんなに人数の多い講義じゃないから、だいたいのメンツは分かる。
名前は知らないけど顔は知ってるって感じ。

だから…やたら見られる。
私を見てるって訳じゃなく、私の隣に居る辰巳さんを見ているって言ったら正しいんだけど。


「こうやって講義に出るのは久々ですよ。学生の頃が懐かしい」

窓や黒板、座席など見ては懐かしいそうに、もの思いにふけっているようだ。


これからは教える立場になるから、講義を受けるのはこれで最後なのだろう。


教台に立つのと座って聞くのでは、雰囲気も違うだろうから。


< 61 / 162 >

この作品をシェア

pagetop