この世界の中で生きていく為に私がすること。

「でも」

やはりご馳走になるのは悪いので、払うという言うのだが…辰巳はお金を受けとらい。

私たちのやりとりを見ていたマスターがゆっくりと口を開いた。

「お嬢さん、ここは素直に静にご馳走になったらどうだい?学生さんだろ?静はこれでも先生なんだろ?」


ニッコリと効果音が聞こえるくらいの笑顔で私に言う。

うっ…。
でも…。

チラリと辰巳さんを見ると、うんうんと頷く。

「…じゃあ、ご馳走様…でした。ありがとうございます」

諦めた私に2人は満足そうにしている。
なんだか、悪いなぁ…。


< 90 / 162 >

この作品をシェア

pagetop