スーパーヤンキー!!

七人の不良

俺は桜さんに七人を連れて行く事を説明し、親父にも伝えてくれるよう頼んだ。先程までいた部屋に戻ると、それぞれ話をしたり、窓の外を眺めたりしている七人に話しかける。


「こっちは話がつきました。あと10分程で着くそうです。外に出る準備をして下さい」


そういうと、七人は立ち上がってその部屋を出ていく。しかし、階段には誰も行こうとしない。


「どうかしたんですか?どうして階段通り過ぎちゃうんですか?」


「俺らはこの階段を使わねぇんだよ。別の道から行く。てめぇはさっさと階段降りて下で待ってろ」


俺には知られたくないのか、七人は俺が階段を降りるまでその場を動かなかった。やっぱりまだ距離はめちゃくちゃ遠いな。これから頑張んねぇと。


階段を一階まで降りきると、周りの不良達は俺の方をジロジロと見てくる。疑惑に満ちた表情をしているところを見る限り、やっぱ気になってんのか。


俺はそんな視線を無視して歩き続ける。校門まで行くと、七人は門に寄りかかりながらだらだらと待っていた。ってか早ぇな!どんだけ早いんだよ!


内心文句を言いながら、俺は校門まで歩く。


10分後、丁度桜さんが車を校門前で止める。時間ぴったりとかすげぇな!さすがだよ!


桜さんはすぐに車から降りて俺たちのところまで来ると、七人に頭を下げて挨拶をした。


「私、龍花様のお世話係をさせて頂いております、桜と申します。龍花様からお話は伺っております。本日は私が皆様をお世話させて頂きますので、どうぞ宜しくお願い致します」


七人は、桜さんの一つ一つの仕草が完璧過ぎて唖然としている。それが少し面白かった。


桜さんはそんな事気にしていないのか、無駄の無い動きで助手席の扉を開けて私を乗せ、その後後部座席を開けて七人を乗せた。
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