ダサこちゃんに乾杯! ~壱~
話ながらファンデにチークに口紅と次々と塗りたくる彼女たち。個室から出てきた私が居ても関係なく悪口を言う。

ーーーどうでもいいんだけどさ。
グイッと水道の蛇口を捻りジャーっと水を出す。石鹸でさっさと洗い、水で流しハンドタオルで拭く。

「って訳だからぁ、ダサこちゃんお願いね?」

鏡越しにニンマリと笑いながら言ってくる。

(人食ったような口…頭悪そう……)

私はチラリと視線だけで彼女たちを見る。

「…自分の仕事ぐらい自分ですれば?」

きっとメガネが分厚いから私の目は見えてないだろうけど、冷めた表情と口調で分かるだろう。

ーーー馬鹿にされてることぐらいは。

そういうことに関しては人一倍鋭いんだよね、こういう人達ってね。
< 2 / 8 >

この作品をシェア

pagetop