超純な彼と微不純な彼女
【2人だけの夜】
「響くん……ごめんね…
風邪なんかひいちゃって」
「ばっかだな~
んな事、何で謝んだよ?」
って……響くんの顔が近付いてきて、その大きな優しい手が私に向かってきて……
おでこに乗せた、冷たいタオルにかかった私の前髪を、響くんは五本の指でかきあげてくれた。
「場所なんか何処だっていいさ、
流奈とね、今こうして、一緒にいれて、俺は嬉しいから」
「響くん……ありがとう……」
涙が……目尻から一筋伝って……
響くんの顔が尚更近付いてきて……
唇で私の涙を拭った。