超純な彼と微不純な彼女
【2人だけの夜】
「南野圭介くん、南野圭介くん、お連れ様が入り口ゲート近くの迷子センターでお待ちしています。
もしわからなければ、圭介くん、
どこでもよろしいので、近くの売店に入り、そこで自分の名前をお伝えください。
圭介くん、圭介くん聞こえてますか?」
園内いっぱいに放送が流された。
響くんと私と杏奈ちゃんは、迷子センター内で……悲痛な気持ちだった。
響くんが椅子に座り、背中を丸め、じっとしていた。
その横顔が恐くて恐くて……響くんのこんな顔見たの初めて……
どうしよう……私のせいだ
「流奈、頼んだよ」……って言われたのに………。