女の子として見てください!
「僕、中学から高校一年まで、超ヤンキーだったんですよ。
金髪でピアスは当たり前で、釘バット持って夜中暴れたこととかも何回かありました」

「く、釘バット?」

あ。翔さんちょっと驚いてる。でもムリはないかも。今の光太郎君は真っ黒な清潔感ある短髪で、ピアスはもちろん制服の着崩しすらしていなくて、どこからどう見てもさわやかな優等生だから。


「それで、ある日松城さんに補導されたんです」

光太郎君がそう言うと、翔さんは「ああ、なるほど。その時に松城と話をしたことがきっかけで不良から足を洗った……とか?」と聞くけれど、光太郎君は。


「うーん、ちょっと違いますかね。
俺、その日機嫌が悪くて、それこそ釘バット持って、夜中徘徊してたんです。
で、通り町でたまたま松城さんがひとりで歩いていて。
ウサ晴らしで襲おうとしたんですよ」

「えっ」

「まあぶっちゃけ……エッチなこともしようと思っていました。
でも、襲おうとしたら相当キレられて、キレイに背負い投げされました」

「目に浮かびます」

さらっとそう答える翔さんを、私は小さくじとっと睨みつけた。


すると光太郎君は、そんな過去をいい意味で懐かしむかのように、笑いながら。

「あの頃の俺は、自分より強い人間なんているわけないとか調子乗ってて。
それがまさか、自分より小柄な女の人に一発で投げ飛ばされるなんて思わなかったから、かなり衝撃的でした。
でも、そのおかげで目が覚めたというか。
あの時の美桜さんが、すごくかっこいいと思ったんです。
俺も……こんなふうになりたいって、その時に強く思って。

俺、それで更生して、勉強もがんばるようになったんです」
< 52 / 155 >

この作品をシェア

pagetop