女の子として見てください!
え?え?知り合い?

あ、どこかの署で一緒に働いていたことがあったのかな?


「……お知り合い、ですか?」

とにかく事情が知りたくて、私はふたりの顔を交互に見ながらそう尋ねる。

でも、どちらも質問には答えてくれない。

知り合い、の割にはなんだかよそよそしい……というより、不穏な空気、というやつだろうか。特にユキさんが。彼女はなぜか、翔さんをキツイ目で見つめている。

やがて、ユキさんがその目で翔さんを見つめたまま口を開いた。


「なに、アンタ今、松城さんの上司なの?」

「そうだけど」

「ふぅん。ていうか、まだ刑事やってたんだ」


え……?

突き放すような、軽蔑するような。まるでそんな言い方に、私は思わず固まってしまった。

一方の翔さんは、なにも答えず、でも冷静だ。


ユキさんは再び私に向き直ると、今度はさっきまでの笑顔に戻り、言った。

「じゃあね、松城さん! 私、仕事に戻るわ。私、今ここのケーキ屋でバイトしてるんだ。サービスするから、またゆっくり遊びに来てよ!」

は、はい、と返事をすると、ユキさんはお店の中へと入っていった。
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