独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
土曜日に祐介の家に行くと、あたしの名前が載った地方紙が机の上に置いてあった。

「ありさ、すげえよな。
まじで社会人になっちゃったんだよな」

就活真っ最中の祐介は、ついこないだも「来年の今頃の俺は、どうなっているんだろう」とぼやいていた。


「ねえ、ありさ、好きな人できたの?」


あたしは正直に答えた。


「会社の奴か?もう付き合っているのか?」

「片思いだよ。会社の人に」


「それなら俺はまだありさに居てほしいよ。

ただでさえ就職決まるまでは不安でさ。

今このタイミングで別れ話されるなんて、まじできついんだけど」


自慢話や下手なセックスはうんざりしていたが、祐介の根は悪いやつじゃない。

ここで少し罪悪感を感じてしまった。

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