独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
「まさか目黒次長が残留なんてね…」

なんと誰もが異動の予想を立てていた目黒次長は残留となり、異例の春日支店5年目に突入した。

「これってきっとさ、人事部が目黒次長の事を忘れてるとしか思えないよね」


彼自身も自分に異動があると思い、3月に入ったときから勝手にせっせと荷造りを始めていたのだ。

杉ヶ浦市に家族を置いて一人単身赴任をしていた次長は、何年も異動の希望を出しているのに、結局今年も通らなかった。

きっと今頃は文句をいいながら、段ボールをほどいているところだろう。


目黒次長が残留する代わりに、融資課の山崎次長が異動になっていた。

男性職員の異動はは山崎次長と大野くんの二人だけだ。


「まあ男の人は関係ないけどさ、それよりも意外だったのが…」

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