独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
預金課は男性の次長のもと、6名の女性職員が配属となっている。

仕事の内容はお金を預かったり下ろしたり、会社からは給与振込の手続きなどの受付。


話の中心となる預金課のメンバーは紹介しておきましょう。


まず私、笠原。

37歳(今年で38歳)。独身。
3年前に10年間付き合っていた同期と別れてからは、彼氏はなし。

結婚願望はあるんだけど、いい人がいたらなって思うくらいで焦ってはいない。


むしろこの年の同年代でフリーの男って言ったら、ちょっとワケアリを疑っちゃう。

だから最悪バツイチ(子なし)でも全然オッケー。


ほんっと言いたくないけど、女性職員では最年長。
皆からは姐さんと呼ばれる。


高校出てから丸19年、未だに一般職だけど、これには理由があり。


うちの信金では、各種検定試験に合格することが役席になる条件だから。

役席とは、一般企業でいうところの管理職に当たり、当然出世を目指す職員は、役席を目指すと言うこと。


とりあえず肩書がある上司は、全てひっくるめて役席と呼ばれる。
ざっくり言うと、偉い人。


すいませんね、説明ばかりで。


つまり私はこの試験に受かっていないから、役席になれないだけ。

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