独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
今夜のこの気分で、一晩だけなら下風代理に抱かれてもいいと思った。

ていうか、むしろこの人とならやりたい。
大人の人にリードされながらやるのって、なんだかよさそう。


彼にしたって、こうして若い子と二人きりになるってことは、そういうことを考えているのかもしれない。


ただ、あたしは彼氏がいるってことを話してしまったからな。


…ていうか、さっきからこの人、何考えているんだろう。
ずっと黙ったまんまだけど。


「下風代理、もしかして具合悪いんですか?」


「…え?
あぁ、ごめんごめん。月を眺めてたんだ。

風に当たったら酔いが覚める気がして、無言になっちゃった」


なんだ、この人はかぐや姫だったのか。


一人で悶々としているうちに、あっという間に社宅のアパートに着いてしまった。


「今日は疲れただろ。ゆっくり休めよ」

「…送ってくれてありがとうございます」


残念、セックスは今日はなし。


多分あたしが部屋の鍵を閉める音が聞こえるまで、下風代理は部屋に入らずに待っていてくれた。

リビングに入り部屋の電気を点けた瞬間に、下の階のドアの閉まる音が聞こえた。

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