独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
ようやく三時になりシャッターが降りて、とりあえずため息をついた。
腹の中に溜めていたものを一気に吐き出す感じ。


「笠原さん、ちょっと今いいですか?」


窓口のあみちゃんが手招きをする。

私達女性職員は仲が良く、普段はお互いをあだ名で呼ぶが、もちろん仕事中は名字で呼び合う。


「実は今日、窓口に苦情が来てたんです。

香坂さんの態度のことで。
他の職員が忙しそうにしている中で、彼女のあくびが目についたと」


やっぱり…
お客様は待たされているので、職員が暇そうにしているとすごく腹を立てる。


「わかった。
目黒次長には私から報告しておく。
高橋さんも嫌な思いさせてごめんね」


本当だったら、目黒次長に報告せずに片付けてしまいたいところだが、一般職の私には責任がないのだ。


とりあえずすぐに次長に報告をし「指導不足ですみません」と謝っておく。

< 49 / 250 >

この作品をシェア

pagetop