再会


その時、ジュンの隣から、赤ちゃんの泣き声が聞こえたんだ。


「あちゃー、目が覚めてもうたわ!」


そう言って、隣のベビーカーから、ジュンはその小さな体を抱き上げた。


「えぇーーーっ?!」


私のあまりの驚きように、ジュンは、またしても満足そうだ。

ジュンの腕の中で泣いているのは、リリィに良く似た黒目がちな瞳、ジュンによく似た口角の上がった口元が愛らしい、赤ちゃんだった。


「ホントに、本当なの?」


リリィの方を見ると、彼女はとても優しい母親の眼差しで、赤ちゃんを見つめていたんだ。

なんだか、次から次に起こる嬉しいサプライズに、ただただ驚くばかりだ。



「どう?子供産んでこの体型は、スゴイでしょ?」


そう言うリリィは、あの頃と変わらず自信たっぷり。

あの頃と変わらないスリムなジーンズ姿。

本当に子供を産んだなんて、信じられないもの。




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