再会


「ここにおるのもあれやし、ちょっと外行かへん?」


目の前の彼の人懐っこい笑顔に、私は素直に頷いた。

さすがに、この状況でこの部屋にじっとしてるのもなんだし、さっきの街中を一人で周るには、少し不安もあった。

すると彼は、嬉しそうに「よっしゃ」と言って、自分と私の荷物をロッカーに入れ、手持ちの南京錠をかけた。

ユースは、ロッカーに鍵のついていない所も多くて、私もマイ南京錠を持っている。

でも、彼のその動作は、えらく旅慣れているな、という印象だった。


「それ、何?」


身軽になった私とは対照的に、彼は背中に大きな荷物を背負っている。


「これ?相棒やねん」


彼はそう言って、二カッっと微笑んだ。



相棒……?

おそらく形からして、ギターか何かだと思うんだけど。

彼は「いいからいいから」と言って、私の背中を押して、部屋の外へと出ると、バタンとドアを閉じた。




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