人事部の女神さまの憂いは続く

絶対これ巧が思ってた以上に修羅場だからね、と腹を立てみたけど、そういえば元々この話、巧にしたの藤木さんじゃん、と思い出した。

そう思うと、この怒りもまた理不尽な気がしてきて、でもやっぱり恐いので視線を下げながら

「藤木さんが、あんなデタラメいうからですよ」

呟くと

「ほう。デタラメ、ね」

納得いかなさそうな藤木さん。

「だってキープなんて、人聞き悪い」

「人聞き悪くても事実だろ。お前はあいつに夢中で、甲斐甲斐しく世話してる俺になんて見向きもしなかっただろ」

そう言いながらリビングに戻っていく。

事実だと言われればそうなのかもしれないけど、なんだか違う気もする。

「よく言いますよ。そもそも藤木さんだって全然私になんて興味なかったじゃないですか。モデルさんとか、きれいな人たちと遊びまくってたくせに」

悔しまぎれにそう言うと、予想外にバツの悪そうな顔をしてる暴君が目に入った。

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