人事部の女神さまの憂いは続く

でも、今まともに藤木さんの顔を見て話せる気がしない。

「もう、ほっといてください」

涙をこらえながら、そう言うと

「泣いてんのか!?頼むから、開けてよ」

切羽詰まった声が聞こえてくる。

でも、そんなの知らない。どうせ顔見て話せば私なんて思い通りになると思ってるんでしょ。藤木さんには反応をせずに、ひたすら心の中で悪態をついていると、さっきまで散々お酒を飲んでいたせいか眠気が襲ってくる。

「ひとりで泣くなよ、開けて」

そんな声を遠くに聞きながら、目を閉じた。




そして気が付いた時には大好きな大きな手が頭を撫でていた。

「起きた?」

ベッドに突っ伏したまんまの体勢だったことで、さっきまでのケンカを思い出して身体を引くと、反対にぎゅっと抱きしめられた。

「ほんと、ごめん」

藤木さんの声は弱弱しい。

< 106 / 399 >

この作品をシェア

pagetop