人事部の女神さまの憂いは続く

前に立花さんの説得に協力してもらったお礼にと約束させられた高級ワインとかデパ地下で調達した大量の食べ物を手にインターフォンを鳴らす。

しばらくして

「お、家出娘」

玄関からニヤッと笑った立花さんが顔を見せた。

「すみません、ご迷惑かけて」

先に謝っておくと

「いや、どうせふじっきーが悪いんでしょ」

香織さんと同じようなことを言う。それに苦笑いを返して

「あの色々調達してきたので、晩御飯は任せてください」

紙袋たちを持ち上げた。

「ラッキー。俺、あとちょっと作業してるからキッチン適当に使ってて。先に飲んでてもいいし」

言いながら書斎に消えていく立花さんに、了解です、と言って作業に取り掛かった。とはいえ、買ってきたのをお皿に盛りつけたり、あっためたりするだけだけど。
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