人事部の女神さまの憂いは続く

興奮している香織さんを落ち着けようと

「香織さん、例のもの、持ってきたんです」

ワインを見せると

「まじで持ってきてくれたんだ!ゆり、最高!」

ようやく笑ってくれた。ほっとして、ワインの用意をしている間に立花さんが、なんで私が今ここに居るのかを説明してくれている様子。

「はー!?」とか「まじ?」とか、またまた香織さんが興奮している声が聞こえてくる。

小さくなりながら香織さんにワインを手渡しにいくと

「ゆり、あんな男、さっさと捨てちゃいなさい」

香織さんが言いきった。

完全怒りモードの香織さんの迫力に押されて、え、でもと口ごもっていると

「だってそうでしょ。あいつは、何にもわかっちゃいないのよ」

そう吐き捨てている。さっきまで怒っていた立花さんも、香織さんの勢いに戸惑っている。

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