人事部の女神さまの憂いは続く

そうそう、その反応。

心の中で、地味に反撃ができていることにほくそ笑んでしまう。でも、そんなのは顔に出さずにケロッとしてみせると

「そっか。俺は、やっぱ焼酎かな」

なんて、さっきの表情を引っ込めてメニューに目を落としている。

あんまり効かなかったかぁ、と残念に思いながらも次の反撃の機会をうかがうことにした。

だけど、なかなかそんなチャンスはなくって、普通に食事と会話を愉しんでしまってデザートまできてしまった。

「俺、温泉とかほとんど来たことなかったけど、いいなー」

藤木さんがポロリとこぼした一言に、はっと作戦を思い出して、仕掛けてみることにした。

「私、温泉好きだから結構来ますよ。一緒に露天風呂とか入ると、いつもと違った感じでいいですよねー」

ほろ酔いな感じでそう言うと、藤木さんの眉間にしっかりとシワができたのが確認できた。

そうそう、ちょっとは藤木さんも私の気持ちを体験してみるといいんだ。
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