人事部の女神さまの憂いは続く

ほんと、なんで母親ってのはこんなによくしゃべるんだろうって思う・・・。

「いやー巧くん、ほんとかわいい顔してるわね。ほら、韓流アイドルの、あの子に似てるって言われない?いいわー」

「えー、崇さん、守さんの方がイケメンじゃないですか!この子、いかにも今どきの草食系男子みたいでしょ?家にいた頃から、彼女の1人も連れてきたことないし」

「そんなの、うちもですよ。高校生の頃なんかは、私がいない隙に女の子連れてきてたみたいですけど、特にお兄ちゃんは侑里さんが初めてですよ、ちゃんと紹介してくれたの」

「そうなんですか!いやぁ、でも本当に崇さんみたいな素敵な方にもらっていただいて、ありがたいです。もうすぐ30なのに、いい方全然いないみたいだったんで、実はこの子の従兄に頼んでお相手探してたんですよ」

永遠に終わりそうもない褒めあいなのか、暴露合戦なのかにうんざりながら、もくもくとロブスターの殻をむいていると、向かい合うテーブルに座ってる崇兄さんからアゴと目で“あれを黙らせろ”というような指令が飛んでくる。

どうせ、侑里に聞かれたらまずい話でもあるんだろうと思うけど、崇兄さんの横に座ってる侑里は、香織さんや守さんの奥さんとワイワイはしゃいでるから聞こえてないだろうに。

この母親2人のマシンガントークに巻き込まれるのはゴメンだ。
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