人事部の女神さまの憂いは続く

「籍はこいつの誕生日来月だからって思ってたけど、記念日が減るのがやだとか言いやがって」

ちょっとバカにしたように言う藤木さん。

「だって、そう思いません?」

香織さんに同意を求めても

「んー、忘れられるよりましじゃない?」

クールに返された。こういうとこ藤木さんと似てるんだよな、と思っていると

「だから明日の昼休みにでも出してこようと思って」

いきなり藤木さんが言い始めた。はっ!?私、何も聞いてないよと思いながら、そういえば何日か前に藤木さんから“打合せ(外出)“っていう謎の予定が抑えられてたな、と思い出して振り返ると

「言ってなかったっけ?」

しらっとして焼酎を飲んでいらっしゃる。

「やっぱニシユリ、なんだかんだ、ふじっきーに上手く丸め込まれてないか?」

心配そうにそう言ってくれるのは立花さんだ。

「あ、でも会社大丈夫ですか?さすがに結婚となると周りに報告しないとまずいですよね」

気になっていたことを口にすると

「それは大丈夫なんじゃない?」

香織さんから軽い返事が。

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