人事部の女神さまの憂いは続く

周りの子たちはびっくりしてみていたものの、さっきから私と久保くんが2人で話し込んでいることもあり、それ以上突っ込まれることはなかった。

グラスに残っていたビールを飲み干した久保くんは、ようやく落ち着いたのか

「付き合ってないのに結婚したんですか?」

確かめるように質問してきた。うん、と頷いて見せると

「デキ婚じゃないんですよね」

何度もいろんな人に聞かれたことをたずねてくる。もう一度、うん、と頷くと

「政略結婚て訳でもないですもんね。え、まさか藤木さんに脅されたりしたんですか?」

しょうもないことを言ってくる。

さっきまでは勘がするどいなって感心してたのに、と残念に思いながら

「そんわけないじゃん」とツッコミを入れると

「じゃあ、なんでですか?ニシユリさん、ちょっと前付き合ってる人いましたよね」

今度はまた鋭い久保くんが戻ってきた。

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