人事部の女神さまの憂いは続く
だって、と思いながらもさっきまでの話への不満もあって黙って焼酎に口を付けていると
「そうなんだよ。ほんと、つれないだろ」
またもや被害者ぶる藤木さん。それに腹が立って
「藤木さんだって、ニシユリって呼ぶじゃないですか」
反論すると
「そりゃ、会社とか人前だろ」
しれっと反撃された。
そう言われると、そうかも。あんまり気にしてなかったけど、そもそも2人でいる時に名前を呼ばれることなんて、ほとんどないのかも。
「なぁ」とか「おい」とか「お前」とか。
なんかズルい。
「じゃあ、侑里って呼んでみてくださいよ」
不貞腐れながらそう言うと
「ゆり?」
首をかしげながら、そう呼ぶ藤木さんからは色気がダダ漏れで、カッと顔が真っ赤になってしまったのが自分でもわかる。