人事部の女神さまの憂いは続く

両手で顔を覆って悶えていると

「ほら、呼んでみろよ」

面白がっている藤木さんの声が聞こえた。そんなの恥ずかしすぎて無理だ、と首をおもいっきり左右に振っていると

「アラサーが女子高生みたいな反応するなって」

巧に笑われた。余計に恥ずかしくなって

「もう心臓に悪いんで、ニシユリでいいです」

顔をかくしたまま、そう言うと

「はぁー?」不機嫌そうな藤木さんの声が。

びびっていると、

「まぁまぁ。じゃあ、俺はお兄さん、って呼んでいいですか?」

かわいこぶった巧。これは、きっと面白がってるな、とその声を聞きながら思っていると

「あぁ、なんでもいいぞ」

まんざらでもなさそうな藤木さん。

「じゃあ、崇兄さんとか?」

さらにふざけている。

全然タイプは違うけど、実はこの二人似てるかもと思った。人をからかって楽しむ人の悪さとか、結構調子にのりやすいとことか。

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