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「千夏、これは一体どういうことなんだよ」


山の付近にならべられた3体の死体をチラリと見て、悠斗はそう言った。


「これ……は……」


説明しようにも、声が震えてできなかった。


ここまで怒っている悠斗を見たのは初めてだった。


「どうしてそんなに怒ってるの?」


美樹が不思議そうな表情を悠斗へ向ける。


「お前がたぶらかしたんだろ」


悠斗が美樹へ向けてそう言った。


美樹は軽く肩をすくめて「だってあたしは千夏の意見に賛成だったから」と、悪びれた様子もなく言ったのだ。


それは悠斗にとって理解のできないことだった。


自分の身を守りたいのはわかるけれど、その為にクラスメートの死体を運ぶなんて人間のやることじゃない。


「そんなことをする暇があるなら、ここから逃げる事を考えたらどうなんだよ?」


悠斗が厳しい口調で2人へ向けてそう言った。


千夏は申し訳なさそうに俯くが、美樹は首を傾げている。


「逃げる方法がどこにあるの? どこにもないから、あたしたち今ここにいるんでしょ?」


美樹が冷静にそう言った。


その言葉に悠斗はグッと言葉に詰まった。


「でも、スピーカーや太鼓を使ったりして……」


「それ、もう試してみたじゃん」


美樹が真っ直ぐに悠斗を見てそう言った。
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