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「どうしてそんなに悲しそうな顔をするんだよ? 俺の妹はそうやって大好きな叔父さんと一緒になったんだよ?」


心太朗は目を細めてそう言った。


心太朗の2歳年下の妹は去年自殺した。


愛してはいけない人を愛し、その人と手を取り合って死んだのだ。


相手は父方の叔父。


叔父には妻も子供もいて、子供の年齢は妹と大して変わらなかった。


それでも愛してしまった事はどうにもならなかった。


互いに惹かれあい、時々会っては愛を確かめ合う関係を築いていたのだ。


それなのに、ある日それが叔母さんにバレてしまったのだ。


偶然出かけた先で、自分の夫と心太朗の妹が仲良く歩く姿を目撃した。


それだけなら姪っ子とどこかへ向かっているのだと考えただろう。


だけど2人の姿はホテル街へと消えて行ったのだ。


叔母さんは混乱した。


ホテル街へ消えた2人の姿は一向に見つけられない。


まさか。


そんなはずはない。


そう思っても、連絡が付かない夫に不安と焦りは増していき……1つのホテルから出て来る2人の姿を目撃してしまったのだ。
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