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この男には必ず複数の仲間が存在している。


校舎内に姿を見せていないだけで、どこかで見ている奴らがいる。


「ドアを開けてくれ」


その声に友香は息を飲んだ。


今までの間延びした声じゃない。


ハキハキとした男の声だ。


友香はゆっくりとドアを開けた。


そこに立っていたのは帽子を深くかぶった黒い服を着た男だった。


男は友香を見ると、小さく手招きをした。


この男について行っても大丈夫だろうか?


そんな不安が過ったが、この男に反発するほうがよほど恐ろしいことだと思い直す。


友香はそっと教室を出て、男の後をついて歩いた。


男はなにも言わないまま、廊下を進んでいく。


シャワールームの近くを通った時、微かな水音が聞こえてきて友香は一旦足を止めた。


昨日は全員が水死だった。


この中で死んでいる子もいるだろう。
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