範囲指定ゲーム
☆☆☆
それから生徒たちは誰ともなく旧校舎へ戻り、体育館に集まっていた。
ゲーム開始までまだ時間はあるけれど、寝泊まりしている教室に向かうためには先生たちのいる部屋の前を通る必要があった。
そのため、みんな避けているのだ。
木製のガッシリとした体育館に33人の生徒たちが集まっているというのに、とても静かだった。
時々窓の外から風が入ってきて、耳を掠める程度にしか物音は聞こえて来なかった。
「……何か、食べる?」
そう言ったのは桜だった。
とても小さな声だったけれど、それは全員に届いていた。
「今、何時かな?」
由奈が返事をするようにそう聞き、桜がホッとしたように表情を緩めた。
「わからないけど、外にいた時に10時だったからもう昼近いかも」
「そうだね。みんな、なにか食べた方がいいよね?」
由奈に聞かれて、友香は自分が朝から何も食べていない事を思い出した。
といってもみんな食欲がないようで、俯いている。
「何か作る? あ、でも時間がないかもしれないね?」
由奈が言う。
「うん。でも簡単に食べられるものがあったはずだから、持ってくるよ」
桜がそういって立ち上がると、数人の生徒が一緒に立ち上がった。
それから生徒たちは誰ともなく旧校舎へ戻り、体育館に集まっていた。
ゲーム開始までまだ時間はあるけれど、寝泊まりしている教室に向かうためには先生たちのいる部屋の前を通る必要があった。
そのため、みんな避けているのだ。
木製のガッシリとした体育館に33人の生徒たちが集まっているというのに、とても静かだった。
時々窓の外から風が入ってきて、耳を掠める程度にしか物音は聞こえて来なかった。
「……何か、食べる?」
そう言ったのは桜だった。
とても小さな声だったけれど、それは全員に届いていた。
「今、何時かな?」
由奈が返事をするようにそう聞き、桜がホッとしたように表情を緩めた。
「わからないけど、外にいた時に10時だったからもう昼近いかも」
「そうだね。みんな、なにか食べた方がいいよね?」
由奈に聞かれて、友香は自分が朝から何も食べていない事を思い出した。
といってもみんな食欲がないようで、俯いている。
「何か作る? あ、でも時間がないかもしれないね?」
由奈が言う。
「うん。でも簡単に食べられるものがあったはずだから、持ってくるよ」
桜がそういって立ち上がると、数人の生徒が一緒に立ち上がった。