範囲指定ゲーム
タオルの繊維パラパラと床に落ちていく。


「これは使えそうだね」


その下の引き出しを開けてみると、そこには着替え用の下着が入れられていた。


どれもまだ封を開ける前のものだ。


これもあれば誰かが使うだろう。


保健室で使えそうなものはこのくらいか。


そう思って引き出しからタオルを出していると、足音が聞えて来た。


「桜、こんなものがあったよ!」


元気にそう言ったのはGチームの美桜だった。


美桜の手にはホコリの被ったスピーカーが握られている。


「使えそう?」


桜は一旦タオルを元に戻し、美桜へと近づいていく。


「使えるよ。ほら」


『ほら』と言いうタイミングでスイッチを押し、スピーカーを通す美桜。


確かに、まだちゃんと使えそうだ。


どんな時に役立つかわからないけれど、持っていてもよさそうだ。


「ねぇ、これを使って屋上から呼びかけたら誰かに届かないかな?」


美桜の言葉に桜は目を見開いた。
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