先輩!小説の主人公になってください!
すると杉内が我に返ったように‥

「あっ‥す、すみません!!私つい、言ってしまいました!本当にすみません!!」

顔を赤くして彼女は言った。




正直、そんなことを言われて戸惑った。
だけど彼女の何事にもとらわれない真っ直ぐな目が俺は気になった。

ずっと彼女の顔が頭から離れない‥。

「‥ぱい‥先輩!!聞いてますか!?」

大和の声で現実に戻された。

「ご、ごめん。何?」

「俺はすごくわくわくしてます。今年の1年は何をしでかしてくれるのか。ますます執筆活動にも力が入りますよ。」

大和は文芸部での話によると執筆 もしているらしい。

「そっか。よかったな。」

「先輩。もっと他の言葉くださいよー。」

「あいにく俺は表情を表に出したり話したりするのが苦手なんだ。勘弁してくれ。」

すると大和がやわらかく笑った。

「先輩は会った時からそういう感じでしたよね。やっぱりそれが柊人先輩らしいです。」

「そうか?」

「はい!あっ‥じゃあそろそろ俺、行きますね。‥それとあれを復活させたいんですけど、いいですよね?」

「‥あれ?‥ああ、あれのことか。いいんじゃない。」

「ありがとうございます。新入生が入ってきたので、また歓迎会もやりたいと思っています。だから先輩も部活、来てくださいね。」

「わかったよ。」

「失礼します。」

そういうと大和は行ってしまった。

‥杉内伊織‥か‥。どうして、気になってしまうんだ‥。






伊織side

今日は文芸部の活動日。

「‥てことで、今日は部員全員でリレー小説から始めたいと思います。」

大和先輩が言う。

「リレー小説?」

私は思わず聞いてしまった。

「うん。去年から始めたことなんだけださ‥去年はまさかの4行で終了。」

「ええっ!!?」

私と彩月は2人そろって大声をあげる。

「いいリアクションだねー。今年は面白くなりそう。」

咲和先輩が呑気なことを言う。

「咲和先輩。呑気なこと言ってますけど、咲和先輩もあの小説を終わらせた中の一人ですよ?俺はあれで心が折れたんですから‥。」

「あらあら、それはごめんなさい。」

「あやまる気ないでしょう咲和先輩‥。」

大和先輩は呆れていた。

ここで彩月が口をはさんだ。

「そのリレー小説は去年どんなことをやったんですか?」

「私もそれ気になります!どうしたら3行で終わってしまったんですか?」

私も彩月にならって聞いてみた。
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