先輩!小説の主人公になってください!
すると大和先輩が言った。

「去年のリレー小説では恋愛物を書いてみたんだ。ちょうど恋愛に詳しい人もいることだし、いいと思ってやってみたら‥。」

ここで、また彩月が口をはさんだ。

「すみません。恋愛に詳しい人って‥。」

それ、私も気になったことだった。

ま‥まさか柊人先輩じゃあ‥

「ああ、それは咲和先輩だよ。咲和先輩は他大学に彼氏がいるし。ね?先輩。」

大和先輩が咲和先輩を振り返る。

「そうだよ。すごくかっこいいのよ。恋で悩みがあったら私のところに来なさいね。」

咲和先輩がウインクしながら言った。


か‥かっこいい!!!

「は‥はいぃ!!是非、よろしくお願いします!」

私は思わず言っていた。

「ちょっと、伊織!話が脱線しかかってるよ。」

彩月が肘で私をこづきながら言った。

「あっ‥すみません!つい。続きをお願いします。」

話を脱線しかけたので少し申し訳なくなった。

大和先輩は咳払いを1つして話を続けた。

「‥で俺、咲和先輩、柊人先輩の順番でやったら4行で終ったんだ。‥確か、そのノートが残ってるはずなんだけど‥。」

そう言うと大和先輩は部室の棚を探し始めた。

「あ‥ありますかね?その小説?」

私はとてもその小説を見たいて思った。

「あると思うんだけどな‥えーっと‥あっ!あった!」

そう言って柊人先輩は1冊のノートを出してきた。

私と彩月は急いで3行で終わったという小説を読んだ。


最初は大和先輩から始まっていた。

話の内容は女子高校生と男子高校生の恋の話だった。





あるところに同じ学校の先輩のことを好きになった女の子、桜子がいた。
だから私は思い切って告白した。

「私は先輩のこと好きでした!付き合ってください!」





次が咲和先輩‥



「ごめん。俺、付き合ってる子がいるから。じゃあ。」






最後は柊人先輩。

こうして桜子の初恋は終わった。

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