不安の滓
 白い部屋の夢は毎晩続いた。
 暖かい布団の中で眠りに就くと――私は白い部屋の中に居るのだ。
 白い部屋の中には必ず男が一人だけ居る。
 何をしてくるわけでもない。
 何をしているわけでもない。

 ただ、男は部屋の中心に座り、私の方をじっと見つめているのだ。
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