恋はたい焼き戦争
第一章

佐和田 鈴というもの



そんな曲に出会った翌日のこと。


私が学校から帰っていると人目につかないような物陰で、小さめの男の子が背の高い数人の男子達に囲まれている場面を見た。


彼らはその子と同じ学校の制服で、私は何故か酷く気になって少し近付くと


『お前なーんで逃げんだよぉー
俺ら仲良くしてやってんじゃん??
ほら、お前なんかと仲良くしてやってる報酬』


と手を出すリーダーらしき男子。

同級生なのかな?

にしても、よってたかって1人をターゲットにするなんて…

けしからんな!

そう思って彼らの方に歩みを進めると、ターゲットになっている男の子と目があった。


『…!!』


すると、いきなりその子は走り出して


『お姉ちゃん!!助けて!!』


そう言って私の後ろに隠れた。


突然のことにその子を囲んでいた彼らは驚いているようだったが、今1番この状況を飲み込めていないのは私だよ!


お姉ちゃん?!お姉ちゃんって言ったこの子!?


あれかな、小学生と遊ぶときに使う…お姉さんと遊ぼう!のお姉さんみたいな。


後ろを振り返ってその子をチラリと見ると

請うような目をして頭を縦にぶんぶんと振る。


…私に芝居を打てと?

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