恋はたい焼き戦争


耳元でうるさく響く目覚まし時計を止め窓を開けると、


聞こえるのは雀の会話する声…ではなく男たちの騒ぎ声。


浴びるのは日の光…ではなく男たちのむさくるしい熱気。


目にするのは…上半身裸でラジオ体操をする男たちの後ろ姿。



そして畳である床を歩き襖を開ける。





「お嬢!おはようごぜえやす、昨晩はよく眠れたでしょうか!」

「おはよう、リュウ。うん、大丈夫。しっかり寝れてるよ!」





そう。私は極道「佐和田組」の一人娘、佐和田 鈴(さわだ りん)。





「お嬢、朝飯はもうすぐ出来るんで居間のほうで待っててくだせえ!」





わかった、そう言って廊下を抜けて居間へ入る。


そこには長いテーブルと朝のラジオ体操を終えた20人の子分たちが既に座っていた。


佐和田組はこの辺りではまぁまぁ名の知れた組であり、私の家ではお父さんとお母さん、そして子分たちと共に生活している。


ご飯や洗濯、掃除などの家のことは全て彼ら20人で分担してやってくれている。


さっきのリュウは主にご飯担当。あんなにいかつい顔をしているのにキャラ弁作りが得意なんだ。



人は見かけによらないって実感するよ…

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