恋はたい焼き戦争


朝の会が終わると隣の席にどっと女子が押し寄せた。





「ねえねえ、昴君って呼んでいいー?」

「えーずるぅい、私もー!」

「うん、もちろん良いよ☆」





自分を主張しようと頑張る女子たちの熱気で、その場にいられなくなった。





「あーか…りー…」





見るとあかりもその一人のようだ。


私は仕方なく、まーくんのところへ行くことにした。





「英単語の勉強中ごめん…
私も一緒にしていい?」





休み時間いつもあかりと居るので、まーくんはその申し出に少し驚いたようだった。





「あ、ああ…
じゃあ問題出すぞ」





よし来い、と意気込む。





「I worry about you.」

「私はあなたを心配しています…?」





英単語の範囲じゃないじゃんー!と言うと





「まぁ、そういうことだ」





眼鏡をクイッと上げながら、今日は騒がしい1日になるなと言った。


その後はちゃんとテスト範囲の場所から問題を出しあってテストに備えた。



間の休み時間はもちろんまーくんのところ。


そのお陰で4時間目のテストはばっちり満点!



そしてお昼ご飯の時間になりお弁当を出そうとした瞬間、我先にと言わんばかりに女子が集まってきた。


あー…まぁ、そうなりますよねー…


チラッとあかりの方を見ると人差し指を上に向けている。


屋上で食べよう、という合図だ。


大きく頷いて教室を出た。

< 26 / 136 >

この作品をシェア

pagetop