Drinking Dance
「えっ?」

思わず聞き返した私に、
「実は、昨日るみさんとデートをする約束をしていたんです」

星崎さんが言った。

「デート、ですか…」

私は呟くように言った。

「ですけど、今朝になって“風邪をひいたから行けなくなった”と言うメールがるみさんから届きました。

“お見舞いに行きましょうか?”と彼女にメールを返したんですけれども、“移すといけないからこなくていいよ”と返されました」

「それって、つまり…」

「ええ、そう言うことですよ。

森脇さんが見たヒゲの男と会うために、るみさんは僕とのデートを断ったと言うことです」

私の言葉をさえぎるように星崎さんが言った。

「それって、2股をかけられていたって言うことじゃないですか!?」

大きな声で叫ぶように言ったせいで、周りから注目を浴びるはめになってしまった。
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