Drinking Dance
「何かあったなら相談してください。

森脇さんにはいつもお世話になっていますから、こう言う時こそ上司を頼って欲しいんです。

何かあったんですよね?」

星崎さんが顔を覗き込んで聞いてきた以上、隠すのは無理だと悟った。

「実は…」

私は昨日の出来事を星崎さんに全て話した。

「た、たぶん、人違いじゃないかと思うんですよね。

写真で見ただけですし…それに、ああ言う髪型をしている女の人は他にもたくさんいますし」

そう言って話を続けるけれども、星崎さんの表情は変わらなかった。

「あの、聞いてます?」

顔を覗き込んで聞いた私に、
「…人違い、と言うことはないと思います」

星崎さんが呟くように言った。
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