Drinking Dance
入社した時からお世話になってて、お互いの気を許しあえるくらいに仲がいい上司だったはずなのに…。

仲がいいから彼の恋愛相談にも乗って、こうして恋愛指南をしている。

なのに、気がつかなかった。

自分がいつの間にか星崎さんを好きになっていたことに。

もう少しだけ彼を感じていたかった…けれど、抱きしめあっていた躰は離れてしまった。

「ふう…」

星崎さんは息を吐いた。

「今日は少しばかり上手にできたかも知れないです」

そう言った星崎さんに、
「そうですね、上手ですよ…」

私は笑って、首を縦に振ってうなずいた。

帰らないで欲しい。

このままそばにいて欲しい。

そう言いたかったけど、彼の迷惑になるのは間違いないのでやめた。
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