恋のシャッター
「……拓真…」
「…えっ?」
勇斗の寝言に私はビックリする。
コイツ……拓真の夢でも見てるの?
きっと、昔よく拓真と家に泊まってたからだよね?
その寝言に、私は勇斗を起こせなかった。
勇斗の寝顔を見て私は思った。
この寝顔見たの…どれくらいぶりだろう。
「……いい男になったって寝顔は変わらないじゃない……」
私は部屋の電気を消して、勇斗に毛布をかぶせた。
部屋に行こうとした時、ふいに時計を見ると…すでに十二時を回っていた。
「……Happy Birthday……拓真…」
時計を見ながらボソッとそう言うと、私は自分の部屋に入った。
外では降っていた雪が、しんしんと積もり始めていた。