恋のシャッター
未練


次の日。



お昼休みになっても辞典を返しに来ない勇斗を探しに、私はニ年の教室へ向かった。



「ったくも〜返してって言ったのに、あのマイペース野郎っ」



ぶつぶつ言いながら勇斗の教室の前に着く。



中を覗くと、勇斗の姿はなかった。



「どっか食べに行ったのかな?まったく…」



しばらく教室の前にいると、見覚えのある人が教室から出てきた。



「あっ…圭介先輩」



「お―実夕ちゃん、どうしたの?ニ年の教室の前で」



「あ~実は勇斗に辞書貸してて…午後から使うのにアイツ返してくれなくて」



「あ~なるほど、勇斗ならもうすぐ戻って来ると思うけどなぁ」



「はい、じゃあちょっと待ってます」




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