恋のシャッター


「えっ?勇斗のおばさん?」



「いや……拓真だよ」



「えっ!?ウソ……拓真が?」



「あぁ、おまえは覚えてないかもしれないけど、この写真は拓真がシャッターを切ったんだよ…」



「拓真が私と…勇斗の…」



勇斗の言葉に、私はもう一度写真を見た。



そして、拓真の最後の七夕のお願い事を思い出した。



“勇斗と実夕が仲良くなりますように――”



「……拓真っ」



私は写真を胸に当てた。



すると、勇斗が私の手を取ってきた。



「……俺は一生拓真には勝てないかもしれない、けど……俺は一生おまえのそばにいるっ」



「……勇斗……」



勇斗の言葉に、胸がギュッと締め付けられた気がした。



「私も…ずっと一緒にいる……」



それだけ言うのに私は精一杯だった。



すると、



勇斗の手が私の頬に触れ、私は自然と勇斗の顔を見上げた。



< 250 / 251 >

この作品をシェア

pagetop