劇団「自作自演」





彼女を何とか自分のものに出来ないか。



僕は必死に考えた。



彼女は一体、何が好きで、私服はどういう格好をしていて、音楽は何を聴いて、夜中に起きてトイレに行くようなことはあるのかということまで気になった。



紛れもない、僕は彼女のことで、頭がいっぱいで、彼女を想って眠れない夜をああ、何度迎えたことだろうか。



明け方、カーテンの隙間から差し込んで来る陽の光にどれほどストレスを感じたことだろうか。



本気で恋をしたことのある人間にしかわからない苦悩。僕はそれをわずか12歳にして味わったのだ。




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