ベル姫様と溺愛ナイト様
創り出した本人たちも驚いている。
まさか本当に城が建つとは。

レイとメロゥは、ベルなら出来ると信じていてはいたけれども、実際に目の前に突如として現れた城に、驚くなと言う方が無理な話だ。

「……とりあえず、入ってみようか?」

「う、うん……」

湖の真ん中にそびえ立つ、オフホワイトの城。
見た目は当時のままだ。
果たして中はどうだろうか。 
あせる気持ちを抑えつつ、レイはベルの手を引いた。

城門の前までは、立派な石造りの橋が出来ていた。
これなら、湖の真ん中の城まで濡れることなく行ける。

メロゥは前を行く2人の後ろ姿と城を交互に見やり、目を細めた。

「まさにあの頃のラス城……。懐かしいな……。
女王様、ナイト様、若い2人がスタートラインに立ちましたよ……」

小さく呟きながら、メロゥもゆったりとした足取りで石橋を歩き始めた。
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