ベル姫様と溺愛ナイト様
「凄んでんじゃねぇよ、青いな青年。
ほら鍵。ベルを寝かせてやってくれ」

ジェミロは二階へ続く扉の鍵を放った。
レイはそれを器用にキャッチして、ベルを横抱きにしたまま立ち上がった。


「おい、間違い起こすなよ?
ベルを寝かせて、それからお前は自分の部屋で寝る。
良いな?」

「……。分かってる」

「おいなんだ、今の間は?」

注意を聞き流すように歩き出すレイに一抹の不安を覚えながらも、ジェミロはやれやれ、とパーティの片付けを始めた。

「手伝うぞ」

「ああ、ありがとうよ。じゃあそこの……」

二人で手分けすると、片付けも早く済む。
すっかりいつも通りに戻った店内で、なんとなしにジェミロとメロゥはカウンターに並んで飲み直し始めていた。
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