アンティークドール
「あ、お邪魔してます!」
真千がペコリと頭を下げる
振り返ってみるとここの店主らしい美人なお姉さんがいた
「わぁ…綺麗ですね…。」
「あら、ありがとう。」
真千の言葉に店主は軽く会釈をする
確かに、店主は美しかった
周りの人形と同じくらい
そして俺にとっては、同じぐらい不気味だった
「今日は何のご用かしら?」
「いえ、実は見にきただけなんです。
失礼…ですか?」
「大歓迎よ、うちお客さんが少ないから。」
オルゴールの音色のような柔らかな、そして存在感のある声
そしてその声のリズムにのって、カーテンがユラユラ揺れていた