QUEEN of the JOKER
「天森さん、話したの?」


「えっ…」


「互いに秘密にしようって、言ったよね?」


「ち、違うのっ…私、言ってないから」


その言葉が本当かどうか、なんて分かるわけない。すると後ろから


「てめぇ、琴葉の姉さんに何しやがる!?」


「俺達の姉御を泣かせようってんなら容赦しねぇぞ!!」


剣龍の部下達があたしに殺気を向けてきた。


…あぁ、そういう事。


たったこれだけのやり取りで分かった。


…この子は剣龍の皆に心配かけさせまいと、昨日の事は黙っていたかったんだ。


「…ま、どの道さっきの喧嘩はそこの副総長さんに見られていたからここに連れてこられるのは変わりなかっただろうけど」


「…ごめん、なさい」


小さく謝る天森さんは完全に俯いていた。


「…それで、あたしに何の用?」


黒坂大和は閉じていた口を開いた。


「なら、単刀直入に聞く。



─────・・・JOKERはなぜ解散した?」






「…それは、剣龍の総長として聞きたいの?それとも、私的な理由で?」



「…どちらもだ。JOKERの解散のこともあり、最早同盟は壊滅寸前。だが、それがもしJOKERの狙いだとしたら、俺たちはそれに対処しなければならない。

それにJOKERは天下を争う組織ではないが、勢力はトランプ同盟の力と大して差はない。そんな組織がなぜ解散したか、興味がある」



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